就活学生が企業をポジティブに判断するのはどっち?「サービス」VS「労働条件」【Z世代のSDGs仮説】| SDGsビジネスニュース ツヅケル

     

    プロジェクト初回となる今回は、Z世代の就活生がどんな観点で企業をポジティブに判断するのかを探ります。

    レポートのトップバッターは、れおん(法政大学文学部英文学科3年生)です。キックオフで出たお題をどう深堀りするのでしょうか??

    こんにちは!僕たちは、企業のSDGsへの取り組みが就活に対してどのような影響を与え、学生は企業の取り組みをどう評価しているのかを調査する産学連携プロジェクト「【Z世代】SDGsシューカツ解体白書」というプロジェクトを行っています。今回、執筆を担当する、れおん(守部玲音)と申します。また今回の記事は議事録担当の「さく」と一緒に進めていきますので、よろしくお願いします!

    今回のオンラインMTGでは6人が集まりました。
    参加メンバーはれおんかほさくせつあっきーまーちゃんです。

     

    テーマは1回目のキックオフMTGのディスカッションで導き出された「就職活動中の学生が企業のSDGsの取り組みでポジティブに判断するのは『サービス<労働条件」なのか?」を、より深掘りするために以下のアジェンダで話し合っていきました。


    ①「目標5ジェンダー平等を実現しよう」に関して、どう発信されていたらポジティブに受け取るのか?

    ② 教育制度、LGBTQなど他にもポジティブに受け取れる内容はあるのか?それらはどれくらい入社意思に関わるのか?

    ③ サービスにおいての将来性はどこまで調べたり、考えるのか?

     

    Z世代はなぜ社会人になる前から「育休」「有休」の取りやすさを重視するのか?

    “お題❶目標5ジェンダー平等を実現しように関して、何が書かれていたらポジティブに受け取るのか?“

    メンバーから出てきた意見ではワークライフバランスを実現するために必要な項目が次々上がりました。

     

    ・育休取得率・取りやすさ

    ・有給の取りやすさ

    ・時短勤務

    ・社内の託児所・育休後の復帰率

     

    また育休の取得率に関しては、女性だけでなく男性の育休取得率も参考にしたいという意見が出ました。特にバリバリ働きたいと考えている女性メンバーは、「男女ともに育児休業がきちんと取れること」を重視していて、こういう施策が「頑張りたい人を応援している」ことに繋がっていくんだと感じました。同じ議事録担当で大学3年生のさくからもこんな感想が届きました。

    さく

    さく

    託児所が設備されていれば、時間を気にすることなく、育児も仕事も100%両立できるため、時短勤務制度よりも託児所の有無を重視する

    この考えに、僕ははっとさせられました。育児と仕事を両立するには、時短勤務やフレックスなど、勤務時間に融通を利かせられる制度で仕事をセーブするのが当たり前と捉えていたからです。育児も仕事も妥協せずに取り組むためには、託児所などの設備は重要なポイント……という発見がありました。

    また僕と同じ男性であるアッキーから

    あっきー

    アッキー

    自分には直接関係がなくとも、男性の育休取得率が高いことが、フェアで良い意味で実力主義の会社なんだとポジティブに受け取る

    という意見が出ました。キャリアアップ意欲が高い男性にも刺さる指標であるという視点は盲点でしたね。

    さらに育休や有給の取りやすさは職場の雰囲気が関係しているという意見も挙がりました。確かに、職場がピリピリした状態だと育休は申請しづらいですよね。育休を取得できるだけではなく、取得しやすい環境づくりが企業に求められていきそうです。

     

    一方、あつみ編集長からは「実際のところ、みんなはどれくらい企業で長く勤めようと考えているの?」といった疑問が投げかけられました。

     

    「できるだけ長く勤めたい。たとえ仕事が合わなかったとしても、最低3年は続けてスキルと知識を身につけたい。だからこそ、育休や有休は重要な要素」

     

    と就活中のメンバー2人はできるだけ長く働きたいとする一方で、「育休に差し掛かかるまで、その企業に長く勤めるかはまだわからない」というメンバーからも、

     

    「労働環境を測る基準として、育休取得率は考慮する」

    「ワークライフバランスは考慮して働きたいから、やっぱり制度が整っている会社が良い」

     

    という意見が出ました。「育休」「有給」の制度の充実は、転職意欲に関わらず企業としては取り組むべき指標なのではないかと思います。

     

    キャリアアップは「ゆったり」がいい。

    勤続年数「長」を希望する学生ほど、若手活躍よりも教育制度を重視

    「Z世代はキャリアアップを目指していない。安定志向で、責任が増す管理職を目指していない」と言われるニュースをご存じでしょうか。「責任感が強くなるのは自分には重い」や、「ワーク・ライフ・バランスを重視したい。上の方まで行くと仕事の方に自分のプライベートが取られる率が高いと思う」とインタビューに答える同世代がいるという事実をこのディスカッションでは共有されました。

    また、この議論をする前に、事前学習として視聴していた企業研修でも使われているというeラーニング「SDGsビジネスラーニング」で驚きだったのは、日本における「管理職の男女比」です。日本における女性の管理職比率が10.9%なのは衝撃の数字でした! 僕自身もいま就職活動中ですが、男女ともに管理職になりたくない人がいる一方で、男女差が現在これだけあるということに驚きました。企業の在り方を示す指標の一つとして、「女性の管理職比率」は今後も注視する必要があると感じました。

     

    お題②教育制度、LGBTQでポジティブに受け取れる内容はあるのか? それらはどれくらい入社意思に関わるのか

    教育制度は多数のメンバーが重要視していました。しかし、キャリアアップの考え方に若干違いがありました。一社で長く働きたいと考えているメンバーは特に「OJT」など手取り足取り教えてくれるような教育環境を臨んでいました。僕も、入社早々にたくさん仕事を振られるとパンクしてしまいそう……と心配です。

    さく

    さく

    議論の中で、手厚い教育と共に「新卒だから……」と甘やかされることがなく、新卒の意見も出せる雰囲気なのか、どのくらい新入社員が社内で活躍できているのか、「新入社員の働き方も教育制度と同様に重視する」といった意見が挙げられたのも印象的でした。

     

    サービスの将来性に関わるのは組織の多様性!サービス自体は好き嫌いで選択

    また、LGBTQなどの多様性について重視するメンバーも複数名いました。

    「多様な人が集まり、様々な意見が挙げられることで、柔軟な考え方ができるようになるはず。その結果として何か新しいイノベーションを起こせるのではないか」と。

    このアジェンダについては、まだまだ議論を深められると感じたため、今後も注目していきたいと思います。

     

    お題③サービスにおいての将来性はどこまで調べたり、考えるのか?

    ここについてはSDGsとは全く違った視点の意見が多く出されました。

     

    「サービスの将来性はそこまで考慮せず、サービスの魅力、自分が好きかという軸から見ている」

    「できれば一社で長く働きたいため、業界の将来性は考慮している。その中でサービスは自分の感情(携わりたいか)を軸としていた」

    「将来性はあまり考えておらず、やりたいと思ったことを職業にしたい」

    「自分で将来性は調べない。ランキングや年収、福利厚生の情報・クチコミなどは参考にしていきたい」

     

    最近はインターネットで企業の評価や口コミといった情報を得やすいので、企業側もこれまで以上に客観的な評価向上が求められます。

    SDGsへの取り組みや、従業員満足度を高めることで、企業の魅力を上げていく必要がありそうです。

    また、サービスの将来性を考慮する学生が少なかったのは意外な結果でした。一社で長く働きたいという学生でも、”好きなこと””やりたいこと”は譲れない――そうした傾向が見られました。

     

     

    【仮説】就職活動の学生が重視していると思われるSDGsのアジェンダは?

    ・教育制度が充実していること【ゴール4】

    ・仕事とプライベートの両立ができること【ゴール5】【ゴール8】

    ・育休や有休が取りやすい環境【ゴール5】

     

     特にこの3点をZ世代の学生である僕たちメンバーは重要視しています。今後これを調査していく上で、僕たちの意見がマジョリティか、それともマイノリティなのか?僕自身も興味深いです。

    この記事をご覧になっている企業様はぜひ参考にしていただきたいです! 今回は閲覧いただきありがとうございました。次回の記事もお楽しみに!

     

    SDGsシューカツ解体白書 プロジェクトメンバープロフィール

    れおん(法政大学文学部英文学科)

    法政大学文学部英文学科の守部玲音と申します。現在大学3年で就職活動をする中で、多くの企業さんがSDGsへの取り組みに力を入れているのを実感し、自分もSDGsへの知見を深めたいと想い、このプロジェクトに参加しました。「人々に楽しさ、前を向くきっかけを提供したい」という想いを持って就職活動を行なっています。とにかくサッカーが大好きです!!

     

    かほ(法政大学理工学部経営システム工学科)

    こんにちは。法政大学理工学部経営システム工学科2年、松井叶歩です。去年の夏、南米の国々とのオンライン交流に参加したことをきっかけに、SDGsの一つである貧困問題解決に興味を持ち、今回の事業に参加しました。まだ自分の就きたい職業は明確に決まっていませんが、多くの人の役に立ちたいです。

     

    さく(法政大学キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科)

    法政大学キャリアデザイン学部(キャリアデザイン学科)の3年生です。よろしくお願いいたします。これまでSDGsについて、何か取り組んだこと・勉強したことはありませんが、就職活動を行う中で、色々な企業がSDGsへの取り組みを示していることから、SDGsはどのようなものなのか、私たちは何をしていくべきなのかについて気になり、本プロジェクトに参加しようと思いました。就職活動は、自分がここで頑張りたい!と思えるような企業で働きたいという想いの元、取り組んでいます。

     

    せっちゃん(法政大学国際文化学部)

    こんにちは、法政大学国際文化学部の薛嘉儀と申します。正直なところ、SDGsについては軽く触れたことがあっただけで、詳しく議論したことはなかったです。このプロジェクトで初めて深い議論ができ、就職に関してもイメージは少しついてきているが、具体的にはまだ決めていません。SDGs×ビジネスを通じて、ビジネスとSDGsの関係を理解し、知識を得て考えを深めて行きたいと思いました。

     

    あっきー(法政大学グローバル教養学部)

    法政大学グローバル教養学部1年、大石晶人です。本プロジェクトを通して、私たち、大学生が企業に求めるニーズと企業が求める学生像のギャップを理解し、埋めていきたいと思っています。私はマーケティング分野に興味があるので、本プロジェクトを通じて特にアンケート調査の戦略について学びたいと考えています。参加のきっかけとして、私は人助けを人生に目標に頑張っているので、企業の助けになれる本プロジェクトは私にぴったりだと思いました。また、今まで学生視点でSDGsを学んできましたが、本プロジェクトにかかわる大人と対話をして、よりビジネス視点でのSDGsを学ぶことができると考えました。

     

    まーちゃん(法政大学グローバル教養学部)

    グローバル教養学部(GIS)1年のまーちゃんこと、齊藤真尋です!好きな食べ物は筋子とイカの塩辛、ミニトマト、しゃぶしゃぶで、趣味はフィルムカメラで写真を撮ることです! このプロジェクトに参加した理由は、高校2年生の時に参加した地域活性化とマーケティングについてのプロジェクトでマーケティングに興味を持ったからです。また、このプロジェクトでは自分が興味のあるSDGs が絡んでくること、それから、それを学生の視点だけでなくビジネスと絡めて考えると言うことが自分自身今まで考えたことがなかった視点だったので、面白そうだなと思い参加を決めました。私はまだ大学1年生で就活に関しては無知なことが多いですが、2年生、3年生の先輩方やSozo 株式会社さんのあつみさんなどのスタッフの皆さんに色々なことを教えてもらいながら、自分なりにたくさんのアイデアを出して日々活動に励んでいます!よろしくお願いします!

    ツヅケル編集部

    持続可能な社会を一緒に考えるニュースサイト「ツヅケル」の編集部です。これからの環境・食糧・気候問題等をビジネス側から思考し、みんなで克服し、より豊かで幸せな毎日が送れる方法を探すための情報を日々キャッチし発信しています。

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