
年々、SDGs検定を受験する個人や企業が増えています。それだけビジネス業界でSDGsが注目されている証拠といえるのではないでしょうか。
そもそもSDGs検定とは、SDGsについての知識と、それを理解した上で応用力を問う試験。自分の生活だけではなく、企業の事業にも役立つ資格でもあります。
消費者や投資家への信頼残高を貯めるために、企業の社会的責任が問われる今だからこそ、SDGs検定への需要拡大は期待されます。今注目の「SDGs検定」について、受験するメリットや申し込み方法、さらに難易度や過去問、勉強方法まで詳しくお伝えしていきます。
【Pick UP】「ツヅケル」が注目したSDGs検定を受講・受験する際のポイント
- SDGs検定は、SDGsについての知識と応用力を問う試験
- 個人だけではなく、企業の団体受験も可能
- 自分の生活だけではなく、ビジネスにも生かせる資格
SDGs検定とは?
SDGs検定とは、SDGsに関する基本的な知識を問う試験。環境問題をはじめ、政治、経済、テクノロジーなど、世界的な社会問題や取組みなど幅広く出題されます。
一般社団法人SDGs推進士業協会が、SDGsの更なる推進のため、SDGs検定を実施。一人ひとりが「誰ひとり取り残さない世界」の実現のために、行動する手助けとなることを目的としています。
SDGs検定を受講する3大メリット
では、SDGsの資格をとるよさはあるのでしょうか。今回は、SDGs検定に合格するメリットを3つにまとめました。
① 自分の生活に役立つ
一つ目は、生活に役立てられることです。このメリットは、年齢や職業を問いません。節電やリサイクルをする際も、「どうして、行動する必要があるのか」「この行動をすることで、どうなのか」など、理由や目的がわかっている方が、積極的に行動できるようになります。また、納得して行動しているため、継続しやすいです。
特に、買うものを選ぶときに、SDGs検定の知識が活用されるのではないでしょうか。例えば、以下の通りです。
・チョコレートやコーヒーなどを買うときに、フェアトレード商品を選ぶ
・グリーンラベルがついた商品を買う
・食器洗剤や洗濯洗剤を選ぶときは、パーム油に関するラベルの有無を確認
・魚介類の食品の買うときは、海のエコラベルを探す
このように、自分ができる行動を知ることで、買い物や家事など日常生活における行動が変化します。
② SDGsに関する事業に生かせる
二つ目は、SDGsに関連した事業に生かせること。最近では、消費者や投資家へ信頼性をアピールするために、SDGs関連の事業を始める企業が増えています。
・CSR
・サステナビリティ
・CSV経営
企業を起点とした社会貢献が求められている今だからこそ、SDGsについて知識が求められているのです。
③ 就職や転職に役立つ
就職や転職へもメリットも大きいです。これは、SDGs事業に特化した企業だけではなく、さまざま業界に言えます。
持続可能な経営のために、サステナビリティに力を入れている企業も多いです。また、SDGs検定を企業が団体受験する場合も増えています。
そのため、SDGsの資格を入社前からもっていることは、大きなアピールになるのではないでしょうか。
申し込みや料金は?SDGs検定の受験までの3ステップ
では、SDGs検定を受けるには、どうしたらいいのでしょうか。申し込みや料金、受験方法や合格発表などは、事前に理解しておくべきポイントです。資格を取得するまでの流れを以下にまとめました。
ステップ①:申し込みと受験料金
まずは、申し込みをしましょう。一般社団法人SDGs推進士業協会のホームページから申し込めます。受付開始は、だいたい試験の2ヶ月前から。申込定員はないため、期間内に申し込みできれば問題ありません。
受験資格はなし。学歴や国籍、年齢や性別などは一切関係ありません。最年少の受験者は15歳だそうです。
受験費用は、税込5,500円。受験する場合は、「SDGs検定 受験規約」をよく読み、同意した上で登録ください。
公式サイトはこちら
ステップ②:受験当日
受験会場はなく、WEB上での検定試験になります。ログインには、IDとパスワードが必要となります。管理には十分注意しましょう。また、スマホやタブレットではなく、パソコンで受験することを推奨していました。
試験時間は、90分間。2022年7月開催のものは、10:30〜12:00に実施されています。
試験内容は、記述式ではなく、マーク式です。
ステップ③合格発表
合格発表は、後日登録したメールに配信があります。採点後、合格者には結果とともに合格証が、不合格だった場合は結果とA〜Dの区分が通知されるそうです。
2022年7月現在では、点数や設問ごとの正誤は開示していません。
合格点は70点以上!難易度はどれくらい?
受験するときに気になるのは、試験の合格率や難易度ではないでしょうか。
SDGs検定の合格点は70点以上。過去の結果をみると、合格率は20〜35%あたりといえます。合格率でいうと、FP試験2級と同じくらい。ちなみに、以下は、過去に出題された問題です。
簡単に合格できる資格ではないというのがお分かりいただけるのではないでしょうか。
画像(出題問題例|SDGs検定|一般社団法人 SDGs 推進士業協会)
おすすめの参考書や勉強方法は?
では、合格点である70点以上をとるには、どうしたらいいのでしょうか。おすすめの参考書や勉強方法を解説します。
参考書
一般社団法人SDGs推進士業協会は、以下の参考書を紹介しています。
『SDGs(持続可能な開発目標)』(蟹江宣史 中公新書 出版)
すべての問題がこの参考書から出題されるわけではありません。けれども、協会がおすすめする参考書であるため、一度目を通しておいた方がいいのではないでしょうか。
勉強方法
SDGs検定に向けての勉強方法として、参考書を読むことは分かりました。では、他は何をすべきなのでしょうか。
SDGs検定の出題傾向は以下の通りです。
・SDGsとは
・SDGs採択までの歴史や現在の動向
・ SDGsの内容(17のゴールや169のターゲットなどに関する事項)
・世界の課題を知る
・ 環境問題のみならず、世界の貧困・飢餓・福祉などの課題をSDGsの17のゴールと関連させて出題
・誰がSDGsに取り組むのか
・SDGsのゴールを誰がどのように取り組んでいくのかについて、SDGsの基本的理解をしたうえで、応用力を試す出題
これらの内容を理解し、資格取得のための方法を3つ紹介します。すべてやるのは難しい方は、自分に合うものをぜひ取り入れてください。
①「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を理解する
まずは、「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」を理解しましょう。
「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」とは、SDGsに関する文書。開発アジェンダの節目の年である2015年の9月、ニューヨーク国連本部において、「国連持続可能な開発サミット」が開催され、150を超える加盟国首脳の参加のもと、その成果文書として採択されました。
この文書には、SDGsの理念や方針など、基盤となる考えが詳しく明記されています。特に、前文は穴あき問題として過去に出題されました。確実にSDGsの資格を取得したい方には、前文を読み込むことがおすすめです。
参照|外務省|「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」
②SDGsの目標とターゲットを把握する
次は、SDGsの目標とターゲットを読みましょう。SDGs検定は、SDGsの17目標や169のターゲットについての知識を問われることが多いです。そのため、目標のワードだけではなく、具体的に何を目指しているのかを理解しておく必要があります。
例えば、SDGsの目標1「貧困をなくそう」で考えてみましょう。これは、「あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる」ことを目指した目標です。7つのターゲットが構成され、それぞれに「どのような貧困をなくすべきか」「対策として何をすべきか」が明記されています。
すべて暗記することは難しいですが、目標とターゲットの意味を把握しておくことを目指しましょう。
外務省のホームページに、SDGsの17目標や169のターゲットについて明記されているので、ぜひ参考にしてください。
③過去問を解く
過去問を解くことも対策。問題の傾向がわかるのでおすすめです。
一般社団法人SDGs推進士業協会は、過去の問題を公開しています。
公式ホームページから、簡単にWEB上で受験も採点も可能です。今の実力を知るためにも、一度トライしてみてはいかがでしょうか。
SDGs検定例題問題はこちら
画像(出題問題例|SDGs検定|一般社団法人 SDGs 推進士業協会)
次回の検定はいつ?
次回の検定はいつなのでしょうか。
実は、この記事を作成した2023年3月はすでに3月の第一日曜日に実施されました。次回の試験日は告知されていません。一般社団法人SDGs推進士業協会によると、決まり次第、公式ホームページまたはフェイスブックでお知らせされるそうです。
公式ホームページはこちら
公式フェイスブックはこちら
これまでの試験日程は以下の通りです。
第11回 2023年3月5日 (日)
第10回 2022年10月30日 (日)
第9回 2022年7月10日 (日)
第8回 2022年3月27日 (日)
第7回 2021年 12月12日 (日)
第6回 2021年 9月5日 (日)
第5回 2021年 6月13日 (日)
第4回 2021年 2月28日 (日)
第3回 2020年 11月15日 (日)
第2回 2019年 2月9日 (日)
第1回 2019年 10月20日 (日)
2021年と2022年の傾向を見ると、2023年中に、次回は夏か秋あたりに開催される可能性が高いのではないでしょうか。
新情報!SDGsビジネス検定も必見!
実際にビジネスシーンで活かせる検定資格をお探しなら、「SDGsビジネス検定」を検討してみると良いでしょう。ビジネスに特化した内容なので、仕事で活用したいと考えている方におすすめです。
SDGsビジネス検定とは、ビジネスに活かせるSDGsの知識と思考力を問う検定試験。試験内容は、元WWFジャパン事務局長の筒井隆司氏が監修した「SDGsビジネスラーニング」がベースとなっています。
今、社員に学んでほしい知識を凝縮したeラーニングのため、Sansan、SMBCコンサルティング、榮太郎飴總本舗など大手企業から採用されているのです。つまり、検定に合格することは、ビジネスパーソンとして必要な知識と思考力があることを証明できるのです。
とはいえ、「SDGsビジネスラーニング」を受講していないけれど受講できるのかと疑問に思うかもしれません。ご安心ください。「SDGsビジネス検定」単体でも受験可能です。より合格率をあげたい場合は、「SDGsビジネスラーニング」で学んだ上で受験することを推奨しています。
3級受験料は「8,800円」で、受験期間内であればいつでも受験が可能です。
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持続可能なビジネスへのヒント
SDGs検定とは、SDGsについての知識と、それを理解した上で応用力を問う試験です。SDGsに関する事業に本腰を入れる企業が増えているからこそ、ビジネスマンとして必要な資格であるといえます。
年々受験者が増加し、開催日も増えている事実からも、SDGs検定の需要の高まりをあらわしているのではないでしょうか。
個人として、もしくは企業の団体として受験を検討してみてはいかがでしょうか、自分のキャリアアップとしても役に立ちます。
「SDGsを何から始めていこう?」と悩んでいる企業の方は、企業の研修として、SDGs検定を取り入れてみてはいかがでしょうか。社員一人ひとりの知識が深まることで、事業のアイディアもより深まることが期待できるはずです。
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