プロジェクト2回目となる今回は、オンラインで5名が集まりました。
参加メンバーはれおん、さく、あっきー、まーちゃん、そして僕(はじめ)です。
今回のテーマは、僕たちの生活に直結するフードロスや脱プラスチックの問題に関して、「企業がどんな取り組みをしているのか」「Z世代の若者はその取り組みに対してどんな印象や影響を受けるのか」を以下のアジェンダに沿ってディスカッションしました。
- “脱プラスチック”を掲げている企業にZ世代が抱く印象は?
- (SDGsの観点で)企業イメージが悪くなり、就活にネガティブな影響を与えるものとは?
まだまだ便利が優先?脱プラを掲げている企業に対してZ世代が抱く印象とは
僕たちが最初に挙げていったのは、Z世代が目にするプラスチックの過剰利用シーンです。
- 飲食店の飲み物の容器
- ホテルのアメニティ
- スーパーで売られている肉魚の容器
- ECサイトで届く商品の梱包
このように、プラスチックの過剰利用だと感じるシーンは身近なところに多々ありました。その一方で、紙ストローへの代替や、飲食店の紙容器の導入など、脱プラを掲げる企業も増えています。
Z世代はそういった企業に対してどんな印象を持っているのでしょうか?
プラスチックを代替している企業へのイメージ
参加メンバーからは下記のような意見が出ました。
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企業イメージの変化 |
消費者としての意見 |
はじめ |
以前から代替している企業には良いイメージは多少あるが、最近取り組み始めた企業へのイメージ変化はあまり感じない。 |
木のスプーンは使いにくいため、その店舗を利用しない理由になることがある。 |
れおん |
代替している企業には経営に余裕があると感じ、少しずつではあるがイメージUPの傾向。 |
商品自体を選ぶ基準にはならない。 |
さく |
企業イメージは多少良くなるくらい。 |
ストローやフォークが紙になってると使いにいくさを感じるのでプラスチックのままだと嬉しいが、容器は紙や木の方が温かみを感じる。 |
まぁちゃん |
環境には良いと思うが、代替しているからといって企業に対するイメージが変わることはない。 |
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あっきー |
プラスチックへの配慮をアピールしている企業へのイメージはUPする。配慮していない企業と配慮しているけどアピールをしていない企業のイメージは変わらない。 |
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そんな中、ツヅケル編集長(あつみゆりか)から「環境に配慮している企業におしゃれなイメージってないかな?」と質問がありました。
メンバーから出てきたのは「無印良品がまさにそう。SDGsが出てくる前からずっと対策をしている企業にはおしゃれさや環境に配慮をしているイメージを感じる」という意見。
続いて、ツヅケル編集部の谷口さんがシャンプーの容器の事例について話しました。容器を新たに購入しないように、消費者が普段使っているシャンプーの容器を店舗に持っていき、その容器に直接シャンプーの中身を補充するというスタイルが海外で行われているそうです。
アッキー
以前、テレビでペットボトルを捨てる際、ラベルを剥がさないとゴミ収集場の人たちが大変…というエピソードを知りました。
だから最近はラベルを剥がすように意識しています
すると、「そういえば、ラベルレスのペットボトルの水を意識して購入しています」というメンバーも。
アッキーがテレビで知ったゴミ収集の人たちの負担など、背景にあるストーリーを知るだけで私たちの消費行動に越境を与えるのでは?という仮説が成り立つのではないかと思います。
また、環境問題への配慮が企業のイメージアップになるまでは「取り組みの継続性」があくまで大事なのではないかと感じます。
一過性のニュースや商品リリースで終わっていたら、消費者には浸透しない。きちんと届けるには、ある程度の時間が必要なのではないでしょうか。
こうした仮説が、本プロジェクトの調査結果によってどう明確になっていくのか、ワクワクしてきました。
就職活動で、普段サービスに触れることがないBtoB企業にZ世代が感じること
れおんが「サステナブルに取り組んでいる企業は経営に余裕があるように感じる」と言っていましたが、ツヅケル編集部の奈良岡さんから「普段、私たちの目にあまり触れないBtoB企業の取り組みに対して、Z世代はどう評価しているの?」という質問が投げかけられました。
日本のBtoB企業には世界トップシェアの技術や研究を有する企業がたくさんあり、素材や化学の会社でサステナブル経営に取り組んでいる企業の話を聞いて「名前は知らなかったけど、身近なところでその会社の技術に触れてるんだな」と驚きました。
そうした企業は理系学生が志望するイメージがありますが、文系学生も意外といて、有名なBtoB企業でも認知度UPに課題意識を持っているそうです。
実はグローバルでトップクラスの事業をしているのに世の中に広くは知られていない企業に対して、Z世代はどう感じているのでしょうか?
まず、内定が出ているはじめが発言しました。
はじめ
能ある方が爪を隠すようなかっこよさは感じるけど、素材や化学の会社には理系の人が行くイメージがあり、そもそも選択肢に上がらなかったです。
また、就職活動中にインスタグラムから情報収集をしていたので、【文系に知られていない穴場企業】のような文言で発信されていたらエントリーする学生もいるのかもしれない」
「企業は自社アカウントのインスタグラムなどSNSでもっとSDGsの取り組みを発信して欲しい」という意見は、みんなが賛同していました。
Instagramで就活の情報収集?
シューカツ中の学生はインスタグラムで企業のアカウントだけでなく、就活の情報をまとめたアカウントもよく閲覧しています。
はじめ
参考にしていたものは「高収入企業インターン本選考締切り一覧」「隠れ優良企業15選」「人事に聞いた採用してよかった大学ランキング」「面接官が嫌いな長所一覧」などの、就活生が知りたいけど企業の人には聞きにくい情報。フォロワーも伸びています。
さく
シューカツ中の3年生です。インスタグラムで、ふと目にしたりすると興味を持つ! 大学の先生から「隠れた優良企業がたくさんあると言われてたけど、イメージが付かなかった。ただ聞いただけでは興味が持てないし、どうやって探したらいいかわからないから便利
まーちゃん
私はまだ就職活動をしていないから、企業の事業内容に興味を持たないと調べることもしない。でも、インスタグラムなどで発信してくれたら調べやすいから、きっとこれから調べると思います。
SDGsの観点で企業イメージが悪くなり、就活にネガティブな影響を与えるものとは?
次のトピックとして、SDGsの観点で企業イメージが悪くなってしまうモノ・コトがどんなものなのかについて話し合いました。「SDGsウォッシュ」と呼ばれかねない、よい事をしてそうなのに実態が伴っていないのでは?というビジネス活動に関して、2つの事例についてディスカッションしました。
1.新疆ウィグル地区の強制労働の疑いのある綿花使用の製品
ファストファッションを展開する世界的大企業がウイグル自治区での強制労働などの問題を起こしている疑いがあるという記事に衝撃を受け、企業に対してもネガティブなイメージを持ったメンバーがもっとも多かったです。「その企業が掲げている他の環境問題に対する取り組みに対しても疑いの目を持つようになった」という意見さえ出ました。
2.コーヒーやチョコレート製品
私たちがふだんよく口にするコーヒーやチョコレートでも強制労働や児童労働の問題がある、ということについてメンバーからは「そうじゃない製品を購入したいと考えた事があるけど、フェアトレードになると値段が倍以上になり消費者としては買いづらい」という意見が出ました。
しかし、最近では単価30円ほどのビックサンダーチョコレートが原料に使うカカオを児童労働に頼らず収穫されたものにすべて切り替え、2025年までには他の商品もすべて切り替えるとのニュースがありました。
1個30円のブラックサンダー、「児童労働なし」のカカオに切り替え
その記事を読んで以来、チョコレートを買うならビッグサンダー…というメンバーもいました。これは「知ることが、エシカル消費のモチベーションになる」という、納得感のあった例でした。
その他にも、マグロの品種偽装問題や従業員の過重労働など、嘘や不正がある企業へのマイナスイメージについて話し合いました。
まーちゃん
私は高校時代に修学旅行でバングラディッシュに行き、現地の企業とタッグを組んでリサーチをしたことがあります。強制労働やそこで亡くなる方などがいるという現状を知り、ショックを受けたからこそ、よく知っている企業が“SDGsウォッシュ”の疑いがあったら残念に思います。
今回も大いに発見のあったディスカッションとなりました。仮説を2点にまとめてみますと……
まとめ
今回のミーティングで生まれた仮説
- 脱プラに対してふだん意識することは少ないが、継続的な活動が企業イメージを上げる。
- 労働環境やSDGsウォッシュに関してZ世代は非常にネガティブに捉える。
次回もまた、引き続きレポートしていきたいと思います。こうご期待!
はじめの編集後記
今回メンバーの話を聞いていて、すでにSDGs問題を取り扱っている先進的な高校がけっこう多いということに僕自身、驚きました。特に高校の修学旅行でバングラディッシュの企業とダッグを組んで調査を行ったというメンバーがいたことも非常に興味深かったです。
僕も中学時代から学校でSDGsや環境問題について授業で知る機会も多く、Z世代にとってSDGsは身近なものになっているのだと感じました。
SDGsシューカツ解体白書 プロジェクトメンバープロフィール
れおん(法政大学文学部英文学科)
法政大学文学部英文学科の守部玲音と申します。現在大学3年で就職活動をする中で、多くの企業さんがSDGsへの取り組みに力を入れているのを実感し、自分もSDGsへの知見を深めたいと想い、このプロジェクトに参加しました。「人々に楽しさ、前を向くきっかけを提供したい」という想いを持って就職活動を行なっています。とにかくサッカーが大好きです!!
さく(法政大学キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科)
法政大学キャリアデザイン学部(キャリアデザイン学科)の3年生です。よろしくお願いいたします。これまでSDGsについて、何か取り組んだこと・勉強したことはありませんが、就職活動を行う中で、色々な企業がSDGsへの取り組みを示していることから、SDGsはどのようなものなのか、私たちは何をしていくべきなのかについて気になり、本プロジェクトに参加しようと思いました。就職活動は、自分がここで頑張りたい!と思えるような企業で働きたいという想いの元、取り組んでいます。
あっきー(法政大学グローバル教養学部)
法政大学グローバル教養学部1年、大石晶人です。本プロジェクトを通して、私たち、大学生が企業に求めるニーズと企業が求める学生像のギャップを理解し、埋めていきたいと思っています。私はマーケティング分野に興味があるので、本プロジェクトを通じて特にアンケート調査の戦略について学びたいと考えています。参加のきっかけとして、私は人助けを人生に目標に頑張っているので、企業の助けになれる本プロジェクトは私にぴったりだと思いました。また、今まで学生視点でSDGsを学んできましたが、本プロジェクトにかかわる大人と対話をして、よりビジネス視点でのSDGsを学ぶことができると考えました。
まーちゃん(法政大学グローバル教養学部)
グローバル教養学部(GIS)1年のまーちゃんこと、齊藤真尋です!好きな食べ物は筋子とイカの塩辛、ミニトマト、しゃぶしゃぶで、趣味はフィルムカメラで写真を撮ることです! このプロジェクトに参加した理由は、高校2年生の時に参加した地域活性化とマーケティングについてのプロジェクトでマーケティングに興味を持ったからです。また、このプロジェクトでは自分が興味のあるSDGs が絡んでくること、それから、それを学生の視点だけでなくビジネスと絡めて考えると言うことが自分自身今まで考えたことがなかった視点だったので、面白そうだなと思い参加を決めました。私はまだ大学1年生で就活に関しては無知なことが多いですが、2年生、3年生の先輩方やSozo 株式会社さんのあつみさんなどのスタッフの皆さんに色々なことを教えてもらいながら、自分なりにたくさんのアイデアを出して日々活動に励んでいます!よろしくお願いします!