
プロジェクト2年目を迎え、回答数が1,129名と昨年の約2倍のデータが集まった「【Z 世代】SDGs シューカツ解体白書」。
今回は、Z世代の男女は目標5、8で何を大事にしているのかを最新の意識調査をもとに紐解きます。
【Z世代】SDGsシューカツ解体白書プロジェクト(法政大学SDGs+プロジェクト協力)について
就活におけるSDGs先行企業への意識調査などを集める産学連携プロジェクト、2024年に調査に向けて始動
【Z世代】SDGsシューカツ解体白書プロジェクトの企画意図
SDGs教育に関して先進的な取り組みを行ってきた法政大学の「法政大学SDGs+(プラス)推進特設部会」の協力のもと、SDGsリテラシーの高い学生とコラボレーションして現役学生の意識調査を行っている産学連携プロジェクト「【Z世代】SDGsシューカツ解体白書」。
企業は新卒採用において「経営目標としてのSDGsへの取り組みがZ世代にポジティブな影響を与えるのか」「優秀層の企業選びに影響をもたらすのか」などを知りたいものの、SDGs教育を受けてきたZ世代の本音や価値観、就活の際の企業選択における有益な調査結果が少ないのが現状です。
「世界競争力ランキング」でも過去最低となってしまった日本企業の停滞感を打破するために、本調査結果が、企業の求める人物像とのギャップを埋める一助になることを目指しています。
性別差が生まれる「目標5」と「目標8」についてZ世代のプロジェクトメンバーが議論
もっとも男女差が表れた調査結果が目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」です。
女性では最多となる52.4%が「興味がある」と答えた一方で、男性は25.4%。男女で25%近くも差が生じる結果となり、Z世代においても男女差の傾向が見られました。
いっぽう、目標8の「働きがいも経済成長も」は、「興味がある」と答えた男性が39.4%(2番目に多い)、女性が24.5%と15%近い差が生じています。
この2つの目標に対して性差が生じた理由を、プロジェクトメンバーの学生たちはどう捉えているのでしょうか? 法政大学の学生たちの仮説をご紹介します。
仮説1 目標5「ジェンダー平等を実現しよう」に関心を寄せるのは、メディアなどを通じて女性のキャリアにおける不利益を目にしているから
まず興味深いのが「学生時代に女性であることで不利益を感じたことはない」とプロジェクトメンバーの女性全員が答えたこと。
生徒会長をはじめとしたリーダー経験についても男女の偏りはなく、学校によっては男女各1名ずつをリーダーにしているケースもあったとのことです。
では、なぜZ世代の女性が目標5に関心を寄せるのか?
それはメディアでその問題を取り上げているのを目にしたり、ドラマなどでも女性が性別を理由にキャリアを阻まれている様子を見ているからではないか。つまり、「社会に出たらそんな不利益を被るのか!」というすり込みと「そうなったら怖い」という漠然とした恐怖感がこの目標に対する関心になっているのではないか、という意見が出ました。
一方、男性メンバーからは「実生活の中で女性が不利になっている状況を見たこともないし、気にしたこともない」と、特に課題を感じないという意見が出ました。
<POINT>
ジェンダー平等はZ世代では教育や制度によって解消されており、それよりも上の年代に根強く蔓延する課題と言えます。よって、Z世代はこうした問題に直面したことがない分、社会で初めて体験したときの失望感や嫌悪感は大きいことが推測されます。
仮説2 目標8「働きがいも経済成長も」に関心を寄せるのは、男性の「働く」が、キャリアアップや年収に直結するから!
Z世代の男性はなぜ目標8に関心を寄せるのか?
男性メンバーから「男性は自身のキャリアアップや収入に関心があり、この目標を自分自身の話としてとらえているのでは?」という仮説が。
女性メンバーからは「女性はキャリアアップや収入よりも、ライフステージによって仕事量を調整したり、自分らしく働くことに比重がある。だから、この目標にピンときていないのでは?」という仮説が出ました。
<POINT>
保守的でキャリアアップに興味がない世代としてくくられがちですが、男女それぞれ違った視点で働くことへの意欲と、それに対する評価や環境を求めている様子が受け取れます。
「【Z世代】SDGs シューカツ解体白書」プロジェクトは第三期も始動決定!
2022年より活動を続けている「【Z世代】 SDGs シューカツ解体白書」プロジェクト。
現在、第三期の活動がすでに始まっています。今後の学生たちの頑張りをこの「ツヅケル」にて発信していく予定です。どうぞご期待ください!
Z世代とSDGs、そして企業選びにおける価値観とは?
ぜひ調査データで、リアルな学生の声を御覧ください。