気候変動とは?日本の目標や企業での取組み事例などについて紹介

    法政大学SDGs+(プラス)プロジェクト協力「【Z 世代】SDGs シューカツ解体白書」(仮)

    気候変動とは、どのような状態を意味する言葉なのでしょうか。頻繁に耳にする言葉ではあるものの、漠然と内容だけ把握している人も大勢います。

    SDGsの目標にも大きく影響しているのが気候変動です。自社でSDGsへの取組みを考えるなら、気候変動についても把握しておく必要があります。

    本記事では気候変動について解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

    【Pick Up】「ツヅケル」が注目したビジネスパーソンが気候変動を読み解くポイント

    • 気候変動の要因には、自然要因と人為的要因の2つがある
    • SDGs目標達成には企業や個人による気候変動への取組みも大切

     

     

    気候変動とは?

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    気候変動とは、気温や気象パターンの変化を意味している言葉です。気候変動は短期間で終わるものではなく、数十年にわたって続きます。そのため多くの人々にさまざまな影響を与えるのが特徴です。

    代表的な気候変動の影響には、以下のようなものが挙げられます。

    • 猛暑
    • 洪水
    • 深刻な干ばつ
    • 水不足
    • 凍土の融解
    • 海面上昇

    近年は日本でも、猛暑や洪水による被害が深刻です。「昔とは気候が大きく違う」と感じている人も多いでしょう。

    気候変動の要因は、自然要因・人為的要因の2つに分けられます。要因についても内容を確認してみましょう。

     

    参照:気候変動とは|国際連合広報センター

    参照:気候変動は拡大し、加速し、深刻化している (2021年8月9日付 IPCC プレスリリース・日本語訳)|国際連合広報センター

     

     

    気候変動の要因 ①自然要因

    人間の経済活動が盛んになるより前は、自然要因による気候変動が一般的でした。特に大きな自然要因が以下の3つです。

    • 海洋の変動
    • 火山の噴火によるエーロゾルの増加
    • 太陽活動の変化

    地球表面の7割以上を占めている海洋は、変動によって大気にも大きな影響を及ぼす存在です。また火山が噴火すると、大気中の微粒子であるエアロゾルが増加して気候に影響を与えます。太陽活動の変化も気候変動に影響する要因の1つです。

     

     

    気候変動の要因 ②人為的要因

    1800年代以降の気候変動は、人間の経済活動が主な原因となっています。代表的な人為的要因は以下の2つです。

    • 温室効果ガスの排出
    • 森林破壊

    特に大きな問題となっているのが、温室効果ガスの排出です。温室効果ガスは、化石燃料を燃やすと排出されます。また開発に伴う森林破壊も、気候変動の大きな要因です。

     

    参照:気候変動と適応 | 気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)

    参照:気象庁|気候変動 

    参照:気候変動とは? | 国連広報センター

     

     

    気候変動サミットとは

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    気候変動サミットとは、気候変動対策への意欲・行動を引き出すことを目的に開催されているサミットです。サミットには各国のリーダーたちが参加し、気候変動対策について議論を交わしています。

    2021年4月には、ジョー・バイデン米国大統領主催のサミットがオンラインで開催されました。アメリカは「2030年までに2005年比で温室効果ガス50~52パーセントを削減」という目標を発表。またアメリカ以外も、それぞれの目標を発表しています。

    • 日本……2030年までに2013年度比で温室効果ガス46パーセント削減
    • カナダ……2030年までに2005年比で温室効果ガス40~45%削減
    • 中国……3020年までにCO2排出量をピークアウトさせる

    主催者であるバイデン大統領は、サミットで各国に気候変動対策の強化を求めました。CO2排出量世界1位の中国は、具体的な数字ではなくピークアウトを目標として掲げています。温室効果ガスの排出を減らし、気候変動を食い止めるためには、今後も各国によるさらなる対策が必要です。

     

    参照:米大統領主催の気候サミット、日米カナダなど新たな排出削減目標を発表(インド、中国、日本、カナダ、米国、EU、英国、ロシア) | ビジネス短信 ―ジェトロの海外ニュース - ジェトロ 

    参照:気候サミット ― 基礎知識 | 国連広報センター

     

     

     

    気候変動対策での緩和と適応とは?

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    気候変動対策では「緩和」と「適応」の2つが必要です。

    • 緩和……温室効果ガスの排出を抑制する
    • 適応……気候変動による被害を回避・軽減する

    それぞれの例も見てみましょう。

     

    緩 和

     節電・省エネ・再生可能エネルギーの利用・温室効果ガスの排出削減

    適 応

     感染症対策・熱中症予防・災害への備え

     

    すでに気候変動は深刻化しており、国内でもさまざまな影響が出ています。そのため単に温室効果ガスの排出を抑制するだけでなく、気候変動による被害を抑えるのも重要です。

    2018年6月には、気候変動適応法が成立しました。

     

    (目的)
    第一条 この法律は、地球温暖化(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号)第二条第一項に規定する地球温暖化をいう。)その他の気候の変動(以下「気候変動」という。)に起因して、生活、社会、経済及び自然環境における気候変動影響が生じていること並びにこれが長期にわたり拡大するおそれがあることに鑑み、気候変動適応に関する計画の策定、気候変動影響及び気候変動適応に関する情報の提供その他必要な措置を講ずることにより、気候変動適応を推進し、もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することを目的とする。

    (引用:気候変動適応法 第1条)

     

    気候変動適応法では、国の責務・地方公共団体の責務・事業者の努力・国民の努力についても触れられています。

    気候変動による被害を最小限に抑えるには、国だけでなく地方公共団体・企業・国民の努力も重要です。他人任せにしていては目標は達成できません。それぞれができる対処を考え、行動していく必要があります。

     

    参照:気候変動適応法 | e-Gov法令検索

    参照:気候変動と適応 | 気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)

    参照:気候変動対策|環境省 

     

     

     

    気候変動対策として企業や個人ができる取組み

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    気候変動対策を進めていくには、国だけでなく企業や個人の取組みも必要です。企業や個人での取組みなら、次のようなものを考えてみましょう。

    • 脱炭素経営の促進
    • 再生可能エネルギーや水素エネルギーの利用
    • 3R(リデュース・リユース・リサイクル)の推進
    • 省エネ

    気候変動対策をするなら、脱炭素の考え方に基づいた経営を検討するのも重要です。また再生可能エネルギーや水素エネルギーの利用も、気候変動対策に役立ちます。3Rによるごみの削減も気候変動対策に効果的です。

    気候変動対策は、SDGsでも目標13で取り上げられています。SDGsへの取組みを検討しているのなら、ぜひ自社で対応できる内容を検討してみてください。

    実際に取組みを考えるための参考として、企業の取組み事例を3つ紹介します。どのような取組みが行われているのか、検討材料としてチェックしてみましょう。

    参照:気候変動とは? | 国連広報センター

    参照:3R政策(METI/経済産業省) 

     

     

    気候変動への取組み事例 ①日本リユースシステム

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    リユースを専門として行っているベンチャー企業が、日本リユースシステムです。日本リユースシステムの「古着deワクチン」というサービスは、SDGsの取組みとして高い評価を受けています。

    古着deワクチンは「使わないものの捨てられない」といった衣類や服飾雑貨の片付け・リユースのサービスです。このサービスは国内外の雇用創出・子どもへのワクチン寄付などにつながっています。

    古着deワクチンは、SDGsの以下の取組みに該当します。

    衣類のリユースは、ごみや温室効果ガスの削減に貢献します。さらに古着deワクチンは、国内外の雇用創出にもつながっている取組みです。

    気候変動への対策を考えるのなら、日本リユースシステムのように他の目標と絡めるのも良いでしょう。ユーザー参加型の取組みは、自社の顧客獲得にもつなげられます。

     

     

    参照:日本リユースシステム株式会社 トップページ 

     

     

    気候変動への取組み事例 ②ユーグレナ

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    事業目的をSDGsに合致させているバイオテクノロジー企業が、ユーグレナです。創業以来ユーグレナでは、気候変動・食糧危機などに積極的な取組みを続けてきました。

    ユーグレナがバイオ燃料の開発研究をスタートさせたのは10年以上前です。2018年には日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを竣工。さらにユーグレナでは『GREEN OIL JAPAN』を宣言し、日本をバイオ燃料先進国にすることを目標に掲げました。

    バイオ燃料への取組みは、SDGsの以下の目標に該当するものです。

    バイオ燃料はエネルギー問題の解消だけでなく、気候変動にもつながります。

     

    参照:株式会社ユーグレナ|ユーグレナの事業紹介 

     

     

    気候変動への取組み事例 ③クボタ

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    農業機械・工作用機械の製造や販売を中心として、世界規模で業務を展開している企業がクボタです。クボタは「食料・水・生活環境」を中心に、SDGsの目標17項目すべてへの取組みを行っています。

    そのなかでも、気候変動への対応を積極的に行っているのがクボタの特徴です。

    クボタでは「2030年までにグループのCO2排出量を2014年度比で30パーセント削減」との目標を掲げました。そのためにインターナルカーボンプライシングを導入、さらに全拠点でLED照明の利用拡大を進めています。

    インターナルカーボンプライシングとは、企業が独自に排出するCO2量に価格付けを行う仕組みです。設備の導入時にCO2の削減効果を金額で換算し、投資の判断に組み込んでCO2量を削減します。

    インターナルカーボンプライシングは、脱炭素投資を考える企業から注目されている方法です。SDGsへの取組みを考えているのなら、ぜひインターナルカーボンプライシングも検討してみましょう。

     

     

    参照:気候変動の緩和と適応(TCFD対応) | 環境保全への取り組み | 株式会社クボタ 

     

     

     

    SDGs取組みを検討するなら気候変動対策も考慮が必要

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    日本では、「2030年までに2013年度比で温室効果ガスを46パーセント削減」を目標として掲げています。その目標を達成するためには、企業による取組みも必要不可欠です。しかし現在の段階では、経済活動と化石燃料によるエネルギーは完全には切り離せません。

    商品の生産・サービスの提供などに使われるエネルギーの多くは、化石燃料をもとにしています。だからこそ気候変動対策・脱炭素に向けた取組みが必要です。持続可能な社会を実現するためにも、各企業は気候変動への取組みが求められます。

    SDGsへの取組みを考えるのなら、ぜひ気候変動対策も考慮してみましょう。

     

     

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    ツヅケル編集部

    持続可能な社会を一緒に考えるニュースサイト「ツヅケル」の編集部です。これからの環境・食糧・気候問題等をビジネス側から思考し、みんなで克服し、より豊かで幸せな毎日が送れる方法を探すための情報を日々キャッチし発信しています。

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